シャネル展「la Galerie du 19M Tokyo」レポ|職人技と美の世界

シャネル展「la Galerie du 19M Tokyo」

六本木ヒルズ森タワー52階にある「東京シティビュー & 森アーツセンターギャラリー」で開催中のシャネル展「la Galerie du 19M Tokyo」に訪れました。

本展は、パリに設立された職人とアーティストの創造拠点「le19M(ル ディズヌフエム)」が日本に上陸し、フランスと日本のクラフツマンシップの美しさを紹介する特別な展示です。

しかも入場料は無料!シャネルが “文化と職人の技” を惜しみなく届けてくれる、その姿勢に心を打たれました。

シャネルが手がける“職人技と美の世界”を、実際に体験してきた感想をレポートします。

目次

「la Galerie du 19M Tokyo」とは

「la Galerie du 19M Tokyo(ラ ギャルリー デュ ディズヌフエム トーキョー)」は、2021年にシャネルがパリに設立した複合施設「le19M(ル・ディズヌフエム)」に由来します。

この施設には、ファッションやインテリア分野で活躍する約700名もの職人が集まり、刺繍や帽子、靴づくり、金属加工など、さまざまな技術を持つ職人たちが日々制作に取り組んでいます。

シャネル展「la Galerie du 19M Tokyo」

本展は3つの章で構成されており、それぞれのテーマで異なる表現と世界観が広がっています。ファッションからインテリアまで、職人技とアートをつなぐ“ものづくり”の世界を紹介しています。

  • le Festival(フェスティバル)
    メゾンダールの卓越した技術や独創的なインスタレーションを紹介する章
  • Beyond Our Horizons(ビヨンド アワー ホライズンズ)
    日本とフランスの職人・アーティスト約30人の作品を集めた没入型展示
  • ルサージュ 刺繍とテキスタイル、100年の物語
    刺繍とツイードのメゾン「ルサージュ」の100周年を記念したアーカイブ展示

予約制の入場ながら、平日でも多くの来場者でにぎわっており、女性客が中心。無料とは思えないクオリティの展示が並び、まさに“シャネルが魅せる美の世界”という印象でした。

第一章「le Festival(フェスティバル)」

入場してまず目に飛び込んできたのは、窓の向こうに広がる東京の景色と、洗練された展示空間。その心地よい雰囲気に包まれた瞬間、“特別な場所に来たんだな”と感じました。

シャネル展「la Galerie du 19M Tokyo」
※写真は筆者が撮影したものです

平日の昼間にもかかわらず会場は思った以上ににぎわっており、来場者の多くは女性。アートを前にしたときの素直なワクワク感が、会場全体にふんわりと漂っていました。

シャネル展「la Galerie du 19M Tokyo」
※写真は筆者が撮影したものです

展示されている作品はどれも繊細で、光の当たり方や配置までも計算し尽くされていて美しい。気づけば、時間を忘れて見入ってしまうほどでした。

改めて「職人の手仕事って本当にすごい」と感じられる、そんな空間でした。

第二章「Beyond Our Horizons」

この章では、日本とフランスの職人・アーティスト約30名による作品が展示されています。

シャネル展「la Galerie du 19M Tokyo」
※写真は筆者が撮影したものです

江戸時代から京提灯の技を受け継ぐ「小嶋商店」と、パリの帽子メゾン「メゾン ミッシェル」によるコラボ作品「パサージュ」。提灯にはアーティストの名前がスタイリッシュに刻まれ、伝統とモダンが美しく調和していました。

シャネル展「la Galerie du 19M Tokyo」
シャネル展「la Galerie du 19M Tokyo」

※写真は筆者が撮影したものです

中でも印象に残ったのが、「ランデブー」と題された空間。日本の数寄屋職人と「le19M」の職人が共同で作り上げた畳の部屋で、障子にはなんとレースの刺繍。

伝統的な和の空間に、繊細なフランスの手仕事が重なり合い、想像を超える美しさでした。地上52階に、こんな贅沢な和室があるなんて!まさに “天空の隠れ家” でした。

第三章「Lesage 刺繍とテキスタイル、100年の物語」

最後の章では、シャネルを支える刺繍とツイードの名門「ルサージュ」の100周年を記念した展示。

シャネル展「la Galerie du 19M Tokyo」
シャネル展「la Galerie du 19M Tokyo」
シャネル展「la Galerie du 19M Tokyo」

※写真は筆者が撮影したものです

過去のコレクションを彩った刺繍サンプルや、アトリエの貴重な資料が並びます。

シャネル展「la Galerie du 19M Tokyo」
※写真は筆者が撮影したものです

まるでシャネルのアトリエに迷い込んだかのような、静かで特別な時間でした。

シャネル展「la Galerie du 19M Tokyo」
シャネル展「la Galerie du 19M Tokyo」
シャネル展「la Galerie du 19M Tokyo」

※写真は筆者が撮影したものです

繊細な刺繍やツイードの作品を前にしていると、職人たちの手仕事の温もりや息づかいが感じられました。

100年という長い歴史が、ひと針ひと針に宿っていて、その積み重ねが“美”そのものを語っているようでした。

展覧会の後に(おまけエピソード)

展示を堪能したあとに。展示と展示の間のゾーンにあった「ヒガシヤ」の特設スペースで、「ひと口羊羹」をお土産に購入。この日はお茶の提供が終了していたので、家に持ち帰ってゆっくりいただきました。

シャネル展「la Galerie du 19M Tokyo」
※写真は筆者が撮影したものです

無花果、濃茶、椰子の実の3種類を味わいましたが、どれも上品で個性的。展示の余韻を感じながら味わう羊羹は、まさに“美の後の静けさ”という感じでした。


ひと口羊羹の詳しいレビューは、別の記事でご紹介しております。ぜひあわせてご覧ください。

感想・まとめ

今回の「la Galerie du 19M Tokyo」は、シャネルが培ってきた職人技術の美しさと文化の力を感じられる展覧会でした。

無料とは思えないほど充実した内容で、ファッションやアートが好きな人にはぜひおすすめしたい展覧会です。

伝統を守りながらも、常に新しい表現に挑戦するシャネル。その精神が、ひとつひとつの展示に息づいているようでした。

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